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栄養管理計画書②~必要な情報収集とは~

本日も前回に引き続き、栄養管理計画書についてです。
テーマは栄養管理計画書に必要な情報収集です。


●栄養状態に関係のある主な検査データ
①利用者情報
→現病歴、既往歴など
②身体計測
→身長、体重から必要な栄養量を推定。過去の体重も体重変化率を知るために重要。
介護高齢者は立位の身長計測が困難なことから情報がなかったり、体重に変動があるため実際に計測するのが望ましい

 ・身長計測
  立位がとれない、または円背や関節の変形などでまっすぐに立てない場合は、ベッドで臥位のままで計測します。様々な計測があるが簡便で取り組みやすい方法として、ベッド上で臥位または側臥位になってもらい、メジャーでの計測。体をまっすぐにできない場合は、メジャーを沿わせられる部分ごとに測定する。測定誤差が出やすいため、3回測定を行い、、平均値を採用する。
両足がない場合は、両腕を広げた長さを測定し、推定値とする。

 ・体重
 体重は定期的に測定することでその変化から栄養状態を推察することができる。
体重の評価で注意する点は浮腫の有無。また、以前に比べて随分と痩せている際は栄養状態の低下を懸念する。


 ・上腕周囲長、上腕三頭筋皮下脂肪厚
 上腕周囲長や上腕三頭筋皮下脂肪厚の値からは、上腕筋囲長や上腕筋面積が算出でき、栄養障害の程度を評価することができる。
また、上腕三頭筋皮下脂肪厚は体脂肪量の指標としても利用できる。


③血液検査データ
どの検査においても一回の検査値のみを評価するのではなく、継続的に変化を評価する必要がある。

血清アルブミン値の評価基準
低リスク:3.6g/dL以上
中リスク:3.0g/dL~3.5g/dL
高リスク:3.0g/dL未満

検査値の低下が続く場合は何らかの栄養障害が懸念される。摂食量や投与不足のほかに、炎症性疾患などでも低下するので利用者の健康状態に注目する

栄養指標として最もよく用いられる血清アルブミン値の検査が行われていない場合は、総たんぱく、総コレステロール、ヘモグロビン、総リンパ球数なども用いてはんていする。
・総たんぱく質の数値が低下している場合は、アルブミンの低値が予想される。
・総コレステロールは、消化管の吸収不良や栄養摂取不良で低下する。
・ヘモグロビンは貧血の指標。貧血にはいろいろあるが、低栄養でも起こる
・総リンパ球数は免疫能の指標だが栄養状態を反映する。1000/μL以下で栄養療法適応と判断する
・血清尿素窒素やクレアチニンは、腎機能の評価に用いられるが、高齢者の場合、たんぱく質の負荷が大きいと上昇することがある
→栄養管理開始後に上昇があれば、たんぱく質の摂取量が適切かを確認する。


●栄養摂取の状況
栄養補給経路がどこなのかを確認。経口の場合は、摂食量・嗜好・食物アレルギーについても確認。
食習慣や食行動についても必要であれば情報収集を行う。→食欲不振時の解決の糸口に

●身体状況
①身体機能
嚥下・咀嚼機能をはじめ食事に関係する身体機能を確認する。
②褥瘡・浮腫・発熱
褥瘡や浮腫、発熱などの症状を確認する。
褥瘡や発熱は必要栄養量の計算をするときに侵襲として加味する必要がある。また、浮腫や脱水の有無は身体計測の評価にも影響が出るため確認する。